真空蒸着の材料について

おはようございます。
まだまだ寒い日が続いていますね(´・ω・`)
昨日の夕食はお鍋にしようと思ったのですが、私としたことが材料を買い忘れて悲惨な事になりました(´;д;`)

それはさておき、今日のお話しは前回の周期表のお話しとリンクして、蒸着の「材料」についてお話しします。

蒸着の材料は、金属(Au,Ag,Cu,Al)や酸化物(SiO2,Al2O3)など固体を蒸発させて基板の表面に薄い膜を形成する技術です( 真空蒸着とは

さて、ここで、先週の記事で金属を成膜すると反射が大きくなると書きました。
その現象については、みなさん何となく予想はつくと思います。

しかし、材料の組み合わせによって反射ではなく、 「反射防止膜」ができるのはとても不思議ではないですか?私はとっても不思議に思います。

この反射防止膜の秘密についてのポイントは材料の異なる「屈折率です。
以下、屈折率のイメージをお話しします。

屈折率のイメージ

屈折率の例を上げると、川を覗いてみた時、実際の川の深さよりも自分で予想している深さと異なる事がありませんか?これは、空気中だと進みやすかった光が、水中に入り、速度が落ちる事によって生じます。

我々も、普段歩いている時よりも水中の方が歩きにくい事を想像して頂くとわかりやすいかもしれません。 そして、この速度の違いにより、空気中と水中の境では光が曲がります。(光の屈折)

光の屈折のイメージ図

 下の図は、「○」が一列になって空気中から水中へ進んでいるとします。

この図を見ると、空気中から水中に入った時、一つの「○」が速度が遅くなったため、列が乱れ最終的には列が曲がった事が見てとれると思います。この曲がった分だけ、川を見た時に予想した深さと実際の深さが異なる事になるのですΣ(; ・`д・´)

そして、この現象を蒸着に置き換えると、空気中から進んできた光が膜に入ると光が曲がるという事になります。

また、膜材料の違いにより、膜の中を通る速度が異なるため、この違いによって、多彩な特性を生み出す事が可能となるのです!!(屈折率を変化させて必要な特性を作り出す技術)

お少し長くなってしまったので、今週は屈折率のお話しまで。
来週は屈折率と膜の組み合わせによって反射防止膜ができる事を簡単にご説明しますねヾ(≧▽≦)ノ

次回 2/8更新予定
材料について②

ちくま精機の真空蒸着

ちくま精機ではお客様のご希望に沿った膜をヒアリングし、それに適した真空蒸着の材料をご提案いたします。反射や透過など、欲しいイメージを伝えて頂ければ材料選定、膜設計を実施し、お客様の「欲しい」を具体的な膜にします。ちくま精機の真空蒸着についての詳細は真空蒸着の設計・試作・量産ページをご覧ください。真空蒸着の概要については 真空蒸着とは のページをご覧ください。

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この記事を書いた人

召田(真空蒸着)

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