環境について

 
おはようございます
さて、昨日6/5は世界環境デーという事で、蒸着の環境についてお話ししていきます。
 
これまで、蒸着機についてお話ししてきましたが、蒸着する時、蒸着機の中は「真空」になっております。
 では、なぜ真空になっていないといけないのでしょうか?
 そもそも真空とは?と疑問が浮かぶと思いますので、真空についてお伝えして行きますね!
 
今日は、そもそも真空とはどのような定義がされているのか、お話しして行きますよ(´▽`*)
 
皆さまがなじみ深い真空と言えば、トリチェリの真空かもしれません。
 
これは、ガラス管の一方をふさぎ水銀層の中に寝かせ、水銀を満たし、空気が入らないように立てると、ガラス管の中の水銀が下がり、上の部分が何も無い空間であると、イタリアのトリチェリが1643年に真空を目に見える形で教えてくれた物です。
 
しかし、現代では上の部分は「水蒸気」や「水銀の蒸気」がかなり含まれている事が判明し、
 JISの定義では
「大気圧より低い圧力の気体で満たされている特定の空間の状態」の事を言うらしいです(; ・`д・´)
 私は勝手にもっと何も無い空間を真空と呼んでいるのかと思ったのですが、真空は身近に溢れているんですね
 
真空が身近になってところで「なぜ蒸着に真空が必要」なのでしょうか?
まず、イメージとして考えていきましょう!
 例えば、蒸着機の中を空気で満たしたとします。
 そこに蒸着材料を熱し、材料を飛ばします。
 この時、基板まで飛んでいく過程で、空気が満ちていると、蒸着材料と空気が接触を起こし、蒸着材料と空気が反応してしまい別の物資になってしまします。
 
わかり易いイメージでいうと、金属を水に沈めると錆び、外観が変化してしまうのと同じです。
 そのため、欲しい蒸着材料も別の物に変化してしまうのです\(◎o◎)/
 図にするとこんな感じ
 
そのため、真空にして、空気と衝突しないようにし、欲しい膜の材料が変化しないようにしています
よって「真空は蒸着の品質を左右する」ほど大切な事なのです(; ・`д・´)
 
さて、ここまで真空についてお話ししましたが、「どうやって真空をつくるのか」気になりませんか?
真空をつくるには「真空ポンプ」と呼ばれる物を使います。
 
因みに過去の「大がかりなクリーニング」にてクリーニングしていたのがポンプになります
 
弊社の蒸着機は、 1台に付き3種類のポンプが着いております。
なぜ、数種類もついているのかと言いますと、ポンプ1種類だけではで蒸着に必要な真空まで引く事ができないからです。
 
まず、ポンプには大きく分けて
「あらびきポンプ」と「本びきポンプ」の二種類があり、
「あらびきポンプ」で1パスカルくらいまで引き、その後「本びきポンプ」でそれより低い圧力の真空をつくっていきます。
 私がいつも蒸着しているところまで真空を引くのに大体1時間くらいかかり、1回の蒸着するのにすごく時間がかかる事がわかると思います。
 
このポンプがないと蒸着ができないので、クリーニングの時にも書きましたが、定期的に大がかりなクリーニングや日常点検等で異常が無いか常に調べております(`・ω・´)ゞ
 
ここまで真空についてお話ししましたが、「真空」が少しでも身近に感じてくれたら嬉しいです(´▽`*)
 
次回 6/27 更新予定 
6月の花札 をお送りします
 

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